日本語検定とは?検定の内容や受験のメリットを分かりやすく紹介

私たちが日常的に使っている日本語にも検定資格があるのを知っていますか?

その名のとおり「日本語検定」というものです。

日本語検定と聞いて「普段使っているし、日本語の語学試験って簡単そう」と考える人もいれば、「どんな問題があるんだろう?」などと疑問に思う人もいると思います。

そこで今回は、弊社の代表も取得している日本語検定について紹介しましょう。

日本語検定はどんな検定?

日本語検定は、正しい日本語の総合的な能力を測定します。

年間で約4万人が試験にチャレンジしており、ビジネススキルの向上や就職活動、学力向上を目的に受験する人が多いです。

普段私たちが何気なく使っている日本語ですが、思わぬ勘違いや思い違いも多く見られます。

日本語検定は、日本語を正しく使えるようになるための手立てとして使えるのです。

また、文部科学省や日本商工会議所が後援しているため、資格の信頼度も高く、企業から優遇されるケースもあります。

受験できる級とレベルの目安

日本語検定で社会人が受験するレベルは3級以上が目安とされています。

日本語検定は子どもから大人まで、自分の年齢や実力に合わせて受験ができるのが特徴です。

それぞれの級で目安にされているレベルは以下の通り。

  • 1級 社会人上級レベル
  • 2級 大学卒業~社会人中級レベル
  • 3級 高校卒業~社会人基礎レベル
  • 4級 中学校卒業レベル
  • 5級 小学校卒業レベル
  • 6級 小学校4年生レベル
  • 7級 小学校2年生レベル

企業の採用で評価される目安は2級以上となるため、社会人は2級合格を目指す方が多いでしょう。

仕事の役に立てるためであれば、社会人中級レベルの2級は視野にいれたいところです。

試験の内容

次に日本語検定の試験の内容です。

試験内容は「漢字」「表記」「敬語」「言葉の意味」「語彙」「文法」という6領域と、「総合問題」の全7つで構成されています。

以下で、6領域の説明と実際に出された3級(高校卒業~社会人基礎レベル)の問題を紹介しましょう。

 1.漢字

漢字や熟語の読み方と意味を理解し、適切に使い分けられるかが問われます。


(例題)今後状況が好転することもありうるのだから、今勝負に出ることは、必ずしも(   )策とは言えない。
    ① 特 ②得 ③(適切なものがない)

答えは②の得です。

選択肢に③(適切なものがない)があることに動揺する人もいるかもしれませんね。

 2.表記

漢字、仮名遣い、送り仮名について、文脈に合った適切な使い方ができるかを問われます。

(例題)変換ミスが一つあります。誤っている言葉の正しい書き方を答えてください。
    「五年ぶりに列車で規制したら、駅前の商店街が閑散としていて寂しかった。」

答えは規制→帰省ですよね。

冷静に読めばすぐに気が付く問題かもしれません。

しかし反対に、このような問題は焦ると気付けない可能性があります。 

3.敬語

場面や相手に応じて、尊敬語や謙譲語を適切に使い分けられるかが問われます。

(例題)【スポーツジムの受付係が新規の入会希望者に】お申し込みありがとうございます。それではこちらの書類に(   )ください。
    ①ご記入 ②ご記入して ③ご記入されて

答えは①ですね。

②は「ご」は丁寧語なのに対し、記入「して」という言い方が自分側の謙譲語であり、それを相手の行為に対して使っているため間違いです。

③の「ご記入されて」は、「されている」など相手が何かをしている状態です。 目上の人が行った動作や置かれている状況について使われるため、間違いであることに気付けるでしょう。

4.言葉の意味

慣用句なども含め、意味と用法を的確に把握できるかが問われます。

(例題)【はびこる】の使用において正しい文を選んでください。
    ①昨日見た映画は、犯罪がはびこる禁酒法時代のシカゴが舞台になっていた。
    ②どこにでもあるパン屋だったが、テレビで取り上げられてから、この一か月大変はびこっているようだ。
    ③若い女性の間では、手作りのお菓子を交換することがはびこっているらしい。

答えは①です。

「はびこる」とは、(草木などが)茂って広がる。いっぱいに広がる。転じて、勢いが強くなって幅をきかす。横行する。という意味で使われます。

②で使うのであれば「はびこっているようだ」ではなく、「流行っている」「繁盛している」が正しいでしょう。

③であれば、「はびこっているらしい」ではなく、「流行っているらしい」が適切です。

5.語彙

さまざまな言葉を正しく理解し、適切に使えるかが問われます。

(例題)《類義語》【横柄】
    ①誇大 ②偉大 ③尊大

この問題であれば、まずは「類義語」という指定されている言葉の意味を理解しているかが問われますね。

類義語とは、その名のとおり「意味が似ている語」です。

よって、この例題の答えは③になります。

6.文法

模範的な文法に従って、語と語を連接させられるかが問われます。

(例題)この道は街灯が少なく夜は暗いので、小学生の弟を一人で(①歩かせ ②歩かさせ)られない。

声に出して読むと分かりやすいですが、答えは①ですよね。

これらで紹介した問題は3級(社会人初級レベル)相当にあたります。

いかがでしたか?

人によっては少し難しかったかもしれません。

普段から日本語を使っている私たちでも「あれ?」と思う問題もありますが、問題を解くだけでも学びになり、身に付くことは多いでしょう。

試験を受けるメリット

試験を受けたときのメリットは、普段の仕事やプライベートでのコミュニケーションに生かせる点です。

丁寧な敬語やたくさんの語彙を知っていれば、表現力を高められ、正確に想いを伝えられます。

丁寧で分かりやすい日本語で話すことができれば、相手に好印象を与えられるようになるでしょう。

ビジネスなら社内や取引先・お客様など、プライベートなら恋人や友達との日常会話で、上手なコミュニケーションがとれるようになります。

「日本語検定」で日本語力を身に着けよう

今回は誰でも受けることができる「日本語検定」について解説しました。

日本語検定を資格として持っていれば、周囲や目上の人からも一目置かれるかもしれません。

ビジネスでもプライベートでも、コミュニケーションが必要な場面では、丁寧で伝わりやすい日本語を使いたいですよね。

検定試験を通して日本語力のスキルアップを目指し、正しい日本語を使えるようになってみませんか?