ブランドが言葉を変える。選ばれるために“意味ある発信”を

ブランドがなぜ必要なのか?その理由はとてもシンプルです。ブランドのない言葉は、選ばれないからです。
たとえば、同じラーメンを提供しているA店とB店があるとしましょう。両者ともに「美味しい」「太麺」「深夜営業」「具材たっぷり」など、よくある特徴を並べていた場合、消費者にとっては「どっちも一緒」に見えてしまいます。つまり、言葉に思いや戦略が込められていないと、差別化されず、選ばれる理由にならないのです。
ブランドがあると、言葉に意味が生まれる
たとえばA店が「ホテルのような接客をする家系ラーメン」を掲げていたらどうでしょうか?それだけで、伝える言葉が大きく変わってきます。
- ご飯おかわり無料 → 「お申しつけいただければ、ご飯を追加でご提供いたします」
- 挨拶 → 「深夜2時でも、笑顔でお出迎えいたします」
一方、B店は「普通の家系ラーメン屋」。同じようにご飯おかわり無料でも、表現は「どうぞご自由にお取りください」になるかもしれません。
どちらも“無料”で提供しているのに、印象はまったく違います。それは、ブランドの違いが言葉の選び方を変えているからです
「選ばれる理由」は、ブランドから生まれる
同じサービス・同じ商品であっても、何を目指すか・どう見られたいかによって発信する内容は変わります。
仮に、Cという家系ラーメン店が「ファミレスに負けない家系ラーメン」をコンセプトに掲げたら、以下のように言葉の使い方が変わるでしょう。
- 「お子様の年齢に合わせて麺の量を調整いたします」
- 「テーブル席もご用意。ご家族でも気軽にお越しいただけます」
つまり、言葉は“何を提供しているか”ではなく、“どんな体験を届けたいか”によって変わるのです。
ブランドがあるから、迷わず言葉を選べる
ブランドがある企業は、発信で迷いません。
それは、自分たちの立ち位置や目指す姿が明確だからです。
逆に、ブランドがあいまいなままでは「どんな言葉で伝えればよいか」が定まらず、ホームページやSNS、広告、パンフレットなどの表現がバラバラになります。
- 誰に向けて話しているのか?
- どんな印象を与えたいのか?
- どんな言葉で語るのが“らしい”のか?
これらを決めるのが、ブランドの役割です。
ブランドは“高級”じゃなくてもいい。“らしさ”の表現である
「ブランド」と聞くと、つい高級・一流・特別といったイメージを思い浮かべがちですが、そうではありません。
ブランドとは、「そのお店・会社・人がどんなスタンスで、誰にどう思われたいか」を明確にすることです。
そして、それに基づいた言葉や接し方、発信のトーンが、結果として「選ばれる理由」になります。
同じ商品でも、ブランドで言葉は変わる
商品やサービスが同じでも、「どう見せるか」「どう語るか」で選ばれ方は変わります。そして、そのベースにあるのがブランドです。
- ただの情報の羅列では、どこも同じに見える
- ブランドがあるから、発信に“芯”が通る
- ブランドがあるから、言葉に意味が宿る
- ブランドがあるから、迷わず“自分たちの言い方”が選べる
これは飲食店に限らず、どんな業種・業態でも当てはまります。ブランドを持ち、それに基づいた言葉を使うことで、「選ばれる発信」が実現するのです。
本記事は、弊社代表の音声配信「stand.fm」を記事化しています。
音声は以下のURLから視聴できますので、ぜひそちらもお聞きください。
https://stand.fm/episodes/680cf4f52943851772be5617

名城 政也/Masaya Nashiro
琴線に触れる株式会社 代表取締役