なぜSEOにブランディングの視点が必要なのか

従来のSEOは、検索エンジンに評価されることを目的としていました。Googleに好まれるよう、キーワードを詰め込み、見出し構成や文章構造を最適化し、検索上位を狙うという手法です。しかし現在、その前提が大きく変わりつつあります。

検索ユーザーのリテラシーが高まり、「どの情報が正しいか」だけではなく「どの会社を選ぶべきか」に関心が移っているためです。その結果、検索順位だけを目的としたSEO施策では成果につながらなくなってきています。

検索エンジンよりも「人間」を意識する

Googleに評価されることと、読者に選ばれることは必ずしも一致しません。検索上位に表示されたとしても、ユーザーが納得できなければすぐに離脱されてしまいます。本当に成果につながるSEOとは、検索エンジンの攻略ではなく、検索ユーザーの心を動かす「人間攻略」です。その本質にあるのが、ブランディングの考え方です。

「その会社を選ぶ理由」がなければ読まれない

ユーザーが検索する目的は、単に情報収集することではなく「どの会社に依頼すべきか」を判断するためです。たとえば「〇〇市 水道トラブル」と検索する人は、すでに問題の概要を理解しており、次に気になっているのは「どの業者が信頼できるか」という点です。

一般論では選ばれない時代

「水道業者の選び方5選」といった一般的な情報だけでは、どの会社を選べばよいのか判断できません。多くのユーザーは、似たような内容の記事をいくつか読んだ上で、内容が重複していると感じればすぐに離脱してしまいます。

そのため、他社との差別化を図るには、「自社の考え」「独自の視点」を明確に示す必要があります。

離脱を防ぐために必要なのは「自社の視点」

他社と差別化するために必要なのは、「私たちはこう考えています」「この部分に特にこだわっています」といった自社のスタンスです。どこでも見かける一般論ではなく、その会社ならではの思想や行動方針が明記されていれば、ユーザーは「ここは他と違う」と感じて読み進めてくれます。

このように、ユーザーにとって有益な情報とは、「一般論」ではなく「自社の本音」であることが多いのです。

Googleも求めている「オリジナリティ」

Googleの評価基準は年々進化しており、現在はオリジナリティや専門性が重視される傾向にあります。上位表示されている記事を真似るだけのコンテンツは、むしろ評価を下げる要因になる可能性もあります。

オリジナリティのある情報とは、自社のサービスや方針、対応フロー、価格の考え方などを具体的に伝えることです。たとえば「スピード対応」を掲げるなら、その理由や体制をきちんと説明することが信頼につながります。

キーワードよりも「語るべき中身」が大切

SEOにおいてキーワードは依然として大切ですが、それ以上に「伝えるべき中身」が重要です。読者の疑問に答え、自社の強みをしっかり語る記事であれば、必要なキーワードは自然と含まれます。

ユーザーが読みたいのは、一般的な説明ではなく「この会社ならではの考え方」や「対応の違い」です。その違いを明確に示すことが、読まれる記事と読まれない記事の分かれ道になります。

SEOの本質は「人間を動かすこと」

検索エンジンの仕組みに合わせるだけでは、読者の心を動かすことはできません。検索結果を見たユーザーに「この会社に相談してみたい」と思わせるには、自社の価値観や信念をしっかり伝える必要があります。

検索順位を目的にするのではなく、「選ばれる理由」を提供すること。その姿勢こそが、SEOとブランディングを融合させる意味であり、成果につながるコンテンツの基本です。

弊社では、このような視点に基づき、企業の個性を生かしたSEO支援を行っています。


本記事は、弊社代表の音声配信「stand.fm」を記事化しています。

音声は以下のURLから視聴できますので、ぜひそちらもお聞きください。

 https://stand.fm/episodes/680d0067dc123d9ba65cdecc

名城 政也/Masaya Nashiro

琴線に触れる株式会社 代表取締役