ブランディングにこそSEOが必要な理由

ブランドを構築する際、多くの企業は自社のビジョンや理念、商品の品質や価値を磨くことに注力します。しかし、どれだけ優れたブランドであっても、誰にも知られなければ意味がありません。SEOは、その「認知される仕組み」を支える手段として欠かせない存在です。
認知されなければブランドは存在しないのと同じ
ブランディングがしっかりできていても、それが発信されなければ、単なる理想論や社内資料で終わってしまいます。たとえば、素晴らしい商品・サービスを持っていても、検索されなければ存在しないのと変わりません。検索結果に表示され、ターゲットの目に触れてはじめてブランドが「存在」します。
ブランドがなければSEOは機能しない
一方で、SEOだけを先行させてしまうと、ターゲットやメッセージが定まっていないまま、単にキーワードを追いかけるだけの情報発信になってしまいます。これでは仮に検索結果に表示されたとしても、ユーザーに「選ばれる理由」がありません。知られても選ばれないというジレンマに陥ります。
SEOとブランディングの相互作用が不可欠
本来、SEOは「見つけてもらうため」の手段であり、ブランディングは「選ばれるため」の理由づくりです。どちらか一方では不完全であり、両者が組み合わさってこそ、強い認知と信頼が生まれます。
見つけられた先にブランドがあることが重要
SEOで流入した先に、「どのような価値観を持ち、どのような姿勢でサービスを提供しているか」といったブランドの軸が示されていれば、ユーザーは初めてその企業を「選ぶ」ことができます。ただ情報提供するだけでなく、共感や信頼を得ることができるのです。
もう「入り口→ホームページ」では足りない時代
かつてはSEOで記事を上位表示させ、そこからホームページや問い合わせへと導くのが一般的でした。しかし現在は、ユーザーが記事内で即座に答えを得ようとする傾向が強まり、サイト内回遊は期待しづらくなっています。つまり、記事単体で「この会社に任せたい」と思わせる必要があるのです。
ブランドを記事に落とし込むことの重要性
現在の検索環境では、「どこも似たようなことを書いている」という印象を与えてしまうと、どこにも共感が得られず離脱されてしまいます。その中で自社の専門性や独自の価値を伝えるためには、記事の中にブランドの核となる要素を組み込む必要があります。
ブランドの軸に沿った情報発信を
SEOにおいて重要なのは、単に上位表示を狙うのではなく、自社のブランドと整合性のある情報を届けることです。例えば「アパレル店員とは」というテーマであっても、ユニクロのようなブランドとルイ・ヴィトンのようなブランドでは語るべき内容が異なります。同じキーワードでも、ブランドによってターゲットに響くポイントはまったく違うのです。
SEOとブランディングを融合させる発信が求められる
今後は、「SEOで上位表示を狙う」ことではなく、「SEOを通じてブランドを広める」ことが大切になります。検索に表示された記事の中に、自社らしさや専門性、一次情報などが含まれていれば、ユーザーに深く刺さる記事となります。
「うちの考え」を語ることで差別化できる
AI生成記事が増える中で、読み手に選ばれるコンテンツをつくるには、「自社にしか書けないこと」を表現する必要があります。たとえば、実際の顧客事例や、これまでの運用実績、現場での肌感覚に基づいた主張などは、他社には真似できない情報です。それらを積極的に記事に盛り込むことが、差別化に繋がります。
ブランドとSEOは表裏一体
SEOとブランディングは、切り離すべきものではありません。どちらか一方に偏ることで「知られても選ばれない」「選ばれる要素はあるのに知られない」という課題に直面します。ブランドの認知を広げ、信頼を獲得するために、SEOを戦略的に活用する。それが、今求められている「ブランディングSEO」のあり方です。
本記事は、弊社代表の音声配信「stand.fm」を記事化しています。
音声は以下のURLから視聴できますので、ぜひそちらもお聞きください。
https://stand.fm/episodes/68178902d9a95b88a676b442

名城 政也/Masaya Nashiro
琴線に触れる株式会社 代表取締役